運命の恋、なんて。
「あはは…」



八雲くんがまた自転車をこぎ始める。



なんだか、不思議な感じ。



今日出会ったばかりなのに、もう付き合ってるなんて。



今までのあたしでは、ありえない話。



それも相手が、八雲くんだからこそ。



人の懐に入り込むのが、うまいよね。



「そこ曲がって。そろそろ、あたしんち」



「そか。もうおしまいか~、寂しいな」



うん、あたしも寂しいな。



「また…明日、会えるよね」



「明日な。オッケー、学校まで迎えに行く」



「ええっ、それはいいよ。駅で、待ち合わせない?」



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