運命の恋、なんて。
廊下を歩き、一番端にあるトイレへと向かう。



「ノンちゃん、大丈夫?」



歩きながら背中をさすると、こっちを見て微笑むもののいつもの明るい顔じゃない。



「胡桃は…八雲くんとあの後どうしたの?」



「あたし?駅まで戻って…八雲くんが自転車でうちまで送ってくれたの」



「そうなんだ…いいな」



いいな?



「碓井くんは、そうじゃなかった?あ、八雲くんもたまたま送ってくれただけなの」



「胡桃…聞いても、あたしのこと軽蔑しないでね」



「どういうこと?しないよ」



ノンちゃんは不安そうに何度もギュッと目をつぶっている。



「観覧車に乗ったとき、碓井くん…いきなり手つないできたの」



「うん…」



つい、八雲くんとのシチュエーションを思い出してしまう。



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