運命の恋、なんて。
後ろで先生であろう人の怒鳴り声が聞こえてくる。



「八雲くん、この話は放課後に。ねっ」



思わず、言ってしまう。



「まだ解決してねーじゃん。胡桃ちゃん、怒ってんだろ」



「ううん……もう、大丈夫」



こうでも言わないと、八雲くんは電話を切らないはず。



「ウソつけ」



「ホントだよ」



「俺に気ぃ遣ってるだろ。さっきの勢い、どこに行った?」



そんなこと、ない……って言おうとしたら。



「いい加減にしろ!!」



っていう八雲くんとは違う、さっき後ろで聞こえていた声の主の声が聞こえたかと思った途端、電話が切れた。



ああーっ…。



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