運命の恋、なんて。
「ごめんね、この人よく物渡されてるから…違う学校の子だし、またそーいうのかなって」




「そうなんだ!?」




女の子は申しわけなさそうに頭を下げる。




「そんな渡されてねーよ」




八雲くんはいつもの調子で言ってるけど、モテねーよのくだりと同じだ。




きっとたくさんもらってる。




「その制服、となりの女子校だよねー。どこで知り合ったの?ってこんな朝早くからなに持ってきたの?」




突っ込んで聞いてくるから、あたしはたじたじ。




「あ…え、と」




八雲くんに視線を向けると、ハハッと笑ってフォローをくれる。




「俺ら、付き合ってんの。弁当頼んだ」




「…は?」




女の子は、これでもかってぐらい呆れた顔をしている。




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