運命の恋、なんて。
八雲くんを見送り、ほっくほくで家の中に入る。




恋愛モードまっしぐら!




ニヤけが止まらない…。




自分の部屋に直行していると、後ろからお母さんが追いかけてきた。




「おかえり!今帰ったの?ホントにこんな時間までテストだったの?」




やば…。




「うっ…うん。塾の先生に、わからないところを質問してたら…遅くなっちゃって…」




あたしは遅くまで残ることはないけど、大学生のイケメン講師目当てに残ってる子たちも確かにいるから。




純粋に質問する子もいるんだろうけど、一緒に帰ったとかそういう話もたまに聞く。




「そう、胡桃は勉強熱心ね。早くお風呂入っちゃいなさい」




「はーい」




お母さんがリビングに戻るのを見て、ホッと胸をなでおろす。




誤魔化してしまった…。




ウソをつくことは悪いことだけど、この際仕方ないよね?




普段からなにかと口うるさいからなぁ。




今まで男の子と一緒にいたって言ったら、なんて言われるか…。




ちょっと、怖くなっちゃった。




いつか、折りを見て話そうかな…。




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