運命の恋、なんて。
「全然いい…気にすんなよ…ぐぅ」




寝息のような音がしたかと思うと、それ以降なにも聞こえなくなった。




「八雲くん?」




返事がないから、多分寝てるんだよね。




あたしはそのまま、電話を切った。




悪いことしちゃった…。




一緒にいたいからって、こんな時間まで。




八雲くんは、あたしを喜ばせようと努力していただけ。




あたしが途中で切り上げればよかったのかも。




そうは思うけど…楽しかったよね。




初めてだらけで、ドキドキして、特別感満載で。




八雲くんのカノジョなんだな~って思う度、ニヤける。




今日はあたしたちの、初デート記念日だね。




今日の出来事を思い出すと、全く勉強が手につかない。




もう…あたしも今日は寝よう。




八雲くんの夢…見れるかな?




あんなに一緒にいても、全然八雲くんが足りない。




明日また、会えるかな?




恋って、どんどん欲張りになるんだね…。




初めて、知ったよ。




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