運命の恋、なんて。
「カノジョの方も、結構ワンマンだからな…碓井の気持ち無視して、他の男と遊びに行ったり。碓井も浮気して、お互い刺激し合ってるっつーか」




「そんなことに、ノンちゃんを巻き込まないでよ…碓井くん最低…」




いつか本命のカノジョのところに戻るなら、それまでのつなぎの女の子たちは、全て浮気相手だよね。




「あたし…帰る」




今すぐ、ノンちゃんと話したい。




そのままストレートに伝えるわけにはいかないけど、この付き合いを止めるためのアドバイスならできるかもしれない。





こんなの、ダメだよ。




カバンを持っ玄関へ向かうと、八雲くんが追いかけてきた。




「ごめん…黙ってて。だけど、あのときは…どうすればよかった?キスしたまま逃げて、傷ついて終わるだけの方が…よかった?碓井と、少しの間でも付き合えてそれはそれでよかったってノンちゃんなら思うかも」





ノンちゃんなら?





わからない…わからないよ。





少なくとも、あたしの常識の中にはない。




「好きな子がいるのに…他の子と付き合うとか、ありえない」




「…だよな。ごめんな」




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