運命の恋、なんて。
別れを惜しみつつ、玄関を出た。




八雲くんはドアを開けたまま、あたしの姿が見えなくなるまで笑顔で手を振り続けている。




なんか、かわいい。




あたしも笑顔で返した。




自転車に乗り、さっそくノンちゃんに電話をかけた。




『胡桃、もういいの?デートは?』




「大丈夫だよ、今帰りなの。で、どうしたの?」




『それがね…碓井くんにフられちゃった』




ええっ!?




思わず、急ブレーキをかけた。




「どうして!?昨日はあんなに仲良さそうだったよね」




『あたしの他に、好きな人がいるんだって…』




ウソ…。




真実を、そのまま伝えたんだ。




碓井くんは一体どういうつもりなの?




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