運命の恋、なんて。
それでも、八雲くんとの未来を描いただけで、こんなに胸が温かくなるのは。



あたしがもう、八雲くんを好きになり始めてる証拠なのかな。



「きゃ~、かわいいっ!」







女の子の大きな声が聞こえる方を見ると、そこに水生動物がいた。



「カピバラさん!」



あたしも、思わず叫び駆け寄る。



か、かわいい。



置き物のように微動だにしない。



気づけば女の子たちが群がり、写真を撮り始めた。



あたしも…。



と思って、スマホをカバンから出そうとしていると。



ドンッ!



「ひゃっ」



ぶつかってきた誰かによって、横に飛ばされてしまった。



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