運命の恋、なんて。
「うん。なにもないから、気にしなくていーよ。で、今日はどこ行く?胡桃ちゃんの行きたいところに連れてくよ」




「え…と。昨日…友達と行ったところに連れて行って欲しいの」




「…へ?」




「中学の友達と、前に行った場所めぐりをしたんでしょ?あたしも…一緒に、八雲くんのたどった軌跡を歩みたい…」




なんて、ちょっとカッコつけすぎかな。




そういうの好きそうだから、言ってみたんだけど…。




言って、急に恥ずかしくなった。




「ああああぁ…今のは、聞かなかったことにして。あたし、なに言ってるんだろ…」




そしたら、八雲くんがまたギュっと抱き着いてきた。




「俺も、同じこと思ってた…俺が見た景色を、胡桃ちゃんにも見せたいって」



「ホントに?見たいな…」



あたしたち、思いがシンクロしたのかな。



なんだかそれが、すごく嬉しい。



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