運命の恋、なんて。
それにコテではねをなおして、鏡もチェックしたつもり。



ボサボサって!



「さっき見たときは大丈夫だったよ?それに、髪伸ばしたいから」



いつも美容師さんに言われるがまま、カットして伸ばせなかったけど、今度こそ伸ばすんだから。



「伸ばすの?それなら耳にかけたら?顔が暗く見えるわよ」



…その言葉が、あたしを暗くする。



どうしてそういうことを言うのかな。



「耳にかけると寒いの」



「髪がぺしゃんこよ。もっとふわっとさせたら?」



ええっ!?



ボサボサなの?ぺしゃんこなの、どっちなの!?



ほんっと、朝からイライラさせられる。



「これでいいんだってば。どうしてそういう言い方しかできないの?」



「せっかく人がアドバイスしてあげてるのに。短い方が、似合ってるわよ。早く学校行かなきゃ、遅れるんじゃないの?」



もう…やだ。



引き止めたのは誰?



あたしが他人に振り回されやすい性格なのって、少なくともお母さんが原因だよね…。



なにを言っても、屁理屈で返される。



もう少し、あたしを認めてくれてもいいのに。



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