運命の恋、なんて。
せっかく八雲くんと遊んで幸せな気持ちになって、これから色んなことを頑張ろうって思ったのに。



全てが台無しだ。



お母さんがまだなにか言っていたけど、無視して家をでた。



胸の奥がズンと重くなる。



そんな態度をした自分を、まず責める。



ちょっとひどかったかな…。



ここが、あたしのお人好しな部分かもしれないけどね。



少しして、スマホにメッセージが送られてきた。



“おはよう、昨日すげぇ楽しかった。また行こうな~”



八雲くんからだ!



“あたしも楽しかった~”



今すぐ、会いたいよ。



できることなら八雲くんみたいに、一人で暮らしたい。



それなりの苦労はあるだろうけど、誰にも何も文句を言われない生活って、楽だろうな…。



束縛って…苦しい。



あたしはお母さんの所有物じゃない。



八雲くんの言う束縛と、種類は違えど似たようなものだよね。



親だからって、全てを支配しようとしてくることにもう耐えられない。



束縛すればするほど、反発したくなるよ…。



成り行きに任せて…相手を尊重する。



何事においても、あたしはそうでありたいな。



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