運命の恋、なんて。
「そうだ…話変わるんだけど、八雲くん…好きな子が…いるんだよね」




「おおっ、アイツとうとう胡桃ちゃんに言ったんだなー」




「やっぱり、碓井くんは知ってたんだね」




「色々相談されてたからな」




ヤスくんは知らなそうだったから、そこは恋愛経験値の差で八雲くんも話す相手を選んだのかもしれない。




それとも、ヤスくんだとあたしに話しちゃいそうだから?




こうなると、ヤスくんの家に行くなって言い始めたのも、うっかりバレるのを恐れてなのかもって勘繰ってしまう。




疑い始めると、キリがないんだけど。




「そうなんだ…八雲くん、なんて言ってた?」




きっと、八雲くんの口からは色んな真実を聞くことができないはず。




あんな状況でもあたしにキスして、都合の悪いことははぐらかして…全てをうやむやにしてしまうから。




ここは碓井くんから、ちゃんとした情報を聞き出すしかないよね。




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