運命の恋、なんて。
「フフッ、冗談だよ」



「びっくりしたぁ…」



「カウンセラーなんてお笑い芸人みたいなもんだよ。相手を笑わせてなんぼみたいなね」



「へー、そーいうものなの?」



「あたしの場合はね。相談に来ても、無言の人もいるから。相手の気持ちをいかにほぐすか…」



「そうなんだぁ。変わったね~、胡桃。高校の頃は、無口だったよね」



「あたしも、色々ありましたから!」



「だね~」



今となっては、笑って話せる話も当時は無理だった。



別れた当初は、八雲くんのことを思い出すだけで涙して、辛い毎日を送っていたっけ…。



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