運命の恋、なんて。
「この間さ~、久しぶりに碓井くんから連絡あったの」



「うわっ、まだ連絡とってたの!?」



「うん。だって、初めての相手だし…」



ポッと頬を染めるノンちゃんに、呆れる。



まだ未練残ってるんじゃないの?



いや、さすがにそれはないか…。



「やだ~、連絡先捨てて。なんなのあの男」



「ひどっ!ほんと胡桃はそういうとき、スッパリ切るよね。八雲くんとも、あれっきり…一切連絡しなかったもんね」



「まあね~」



「結果、それがよかったよね」



「うん」



別れるとき、あたしは初めて八雲くんに…最大のウソをついた。



『別れても、友達でいようね』



正直、そんなことこれっぽっちも思わなかった。



散々あたしを振り回し、この後に及んで、『今も、好きは好きだし…』って言った八雲くんを、こっちから断ち切りたかった。


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