運命の恋、なんて。
別れて数日後、八雲くんから連絡があった。



拍子抜けするほど普通のメッセージ。



読んだだけで、返事はしなかった。



…それで察してくれればいいのに、捨てた女でも返事がないと気になるものなんだね。



その後何度か連絡があったけど…あたしは結局、八雲くんをブロックした。



本当に…好きだった。



だけどそれは、友達の好きじゃない。



恋人同志だからこその感情であって、友達を続けることに意味なんてないと思った。



同性の友達だって、アリなのかもしれない。



だけどそれは、一度も付き合ってない間柄だからこそ。



あたしと八雲くんは、もうどうしたって友達にはなれない。



出会ったことを後悔したこともあったけど…この出会いがあったからこそ、今のあたしがいる。



だからもう、前を向いて歩こうって思ったんだ。



ま、ここまでになるには、何度も落ち込んだりしたけどね。


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