運命の恋、なんて。
「ねー、さっきストレス発散したがってたよね。婚活しなーい?碓井くんみたく、うちらもさっさと結婚しちゃおうよ」



「えー、あたしはいいよ。結婚なんて…恋愛も、できないでいるのに」



「胡桃の場合…結婚を前提にって、割り切れば?そういう始まりも、アリだよ」



「まだ、結婚する気ないからいい」



こんなやりとりを、これまで何度したのかな。



ノンちゃんは、早く結婚したがっている。



あたしは…もっと、仕事を頑張りたい。



だから…このままで。



色々、ちょうどいい。



ノンちゃんと飲んだ後、終電に乗って自宅へ向かう。



あ~、飲み過ぎちゃった。



碓井くんの話題で、八雲くんのことを思い出した。



あれからもう数年経っている。



どこに進学したとか、就職活動したとか全く知らない。



もう、あたしの人生に関係のない人。



良い時の思い出は綺麗なままに。



嫌な思い出は…全て、この胸にしまおう。



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