運命の恋、なんて。
振り向くと、後ろに立っていた男の人が割り込んできた。




「俺も青葉台なんで、同乗してもいいですか?」




えっ、あたしたちの話聞いてたの!?




「私は構いませんよ」




おじさんが快く受け入れるのを見て、あたしも頷く。




それにしても…まさか3人で相乗りすることになるなんて。




その後はちょうどお母さんからスマホにメッセージが来たから、おじさんとの会話もそこで終了。




“タクシー並んでるんじゃない?こっちからタクシー呼んでそっちに行かせようか?”




相変わらず、過干渉。




だけどこの優しさも、親だからこそなんだな…と、社会に出てから思う。




彼氏がいるわけでもなし、ここまで心配してくれる人って他にいないからね。




“大丈夫。近くに住む人と相乗りすることになったから、タクシー代も浮きそうだよ~”




なんて返信をしたから、さあ大変。




“相乗りって、女の人?もし変な男の人と一緒なら、お母さんがお金を出すからひとりで乗って帰りなさい”




うわ…でたよ。




やっぱうちのお母さんは、スーパー過干渉だね。




あたしはもう子供じゃない。




ここまでくると、やり過ぎ。




それにこの人たちが、“変”かどうかは、見ただけではよくわからないな…。




とりあえず、これで納得してもらおう。




“女の人だよ、安心して”




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