運命の恋、なんて。
ウチの前でタクシーが停まり、ふたりで降りることに。




財布を見ると、細かいお金がなかった。




「あたしがまとめて払っていい?小銭がなくて」




「いいよ。後で半分払う」




にこっと笑った顔が爽やかで、思わず目を背けたくなる。




う…わ。




イケメン苦手…。




八雲くんと別れて、日を追うごとにイケメンが苦手になった。




きっと浮気するんだろうなとか、する気がなくても女の子が寄ってくるんだろうな…とか、余計なことを考えてしまう。




話していても、安心しない。




さっきまでは車の中でイケメンだってことも忘れてたけど、今月明りの下でそのことに気づかされた。




早く、この場を離れたいよ…。




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