運命の恋、なんて。
おじさんが多目に払ってくれていたみたいで、あたしたちの分はそれほど高額でもなかった。




タクシーが出発した後、思わずこぼす。




「ラッキーだったね」




「いいおじさんじゃん。最初はただのエロ親父かと思ってたけど」




「ええっ!?」




そんな風に見てたなんて、びっくりだよ。




「なんとなく、ふたりっきりで乗せるの危ないなと思って…余計なことした」




「いえいえ…そんなこと。ありがとう…」




まさかそのために、相乗りを申し出たの?




なんて親切な人。




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