運命の恋、なんて。
「半分払うって言ったけどー…足りねーな」




男の人が、スーツのポケットに手を入れて小銭をじゃらじゃらさせたあと、手の平に乗せたお金を数えてる。




「いいよ、迷惑料ってことで…」




「そんな検挙だと、幸せ掴めねーよ?」




「え?」




「その年になっても親に心配してもらってるよーじゃ、ダメだな」




「…はいっ!?」




ちょっ…どういうこと?




まさか…タクシーを待ってるときの、あたしのメッセージの内容を読んだの!?




しかも、その年になっても…って。




一体、あたしをいくつだと思ってる?




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