運命の恋、なんて。
今、なんて…。




そのとき、玄関の灯りがついた。




――ガチャッ。




「胡桃なの?早く中に入ってらっしゃいよ」




お母さんが家から出てきた途端、男の子がボソッと呟いた。




「おっ、クレイジーママ」




あたしの知ってる人で、ウチのお母さんをそう呼ぶ人が過去にひとりいたよね…。




でも、まさか。




今あたしの目の前にいる人は、その面影もない…。




「あなた…誰?まさか…ヤスくん?違うよね」




「やっぱ、そーだよな。俺も、胡桃ちゃんだと思った」




「ええええええーーーーーっ!!!ホントにそうなの!?」




驚いた…。




ホントにヤスくんなの!?




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