運命の恋、なんて。
「わ~、もうこんな時間。お風呂に入って、寝るね」




くどくど言われ続けるのもなんだし、自分の部屋に逃げる。




お風呂に入ったあと、部屋で今日のことを思い返す。




…あれはホントにヤスくんなの?




全然面影ない…。




っていうか、どんな顔だった?




失礼だけど、あたし…それさえ覚えてない。




なんとなーく、イメージで捉えてただけ。




だからなのか…声をかけられても、わからなかったのは。




興味がないと、そういうものだよね。




明日会っても、やっぱりわからないかも。




どんな顔だった!?




12時に来るって言ってたっけ…。




ヤスくんに会うと、八雲くんのことを思い出してしまうよね。




あの頃のことを思いだすと、確かに辛いんだけど…今こうして思い返すと、少し懐かしい気分になっている自分もいる。




明日…またヤスくんに会う自分を想像してみる。




高校生の自分に戻った気がして、少しだけワクワクしてきた。




たまには思い出話に花を咲かせるのも…悪くはないのかもしれない。




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