運命の恋、なんて。
「そうかー…相変わらず、真面目だな。胡桃ちゃんは」



「ノリが悪いって、遠回しに聞こえたよ」



「おおっ、心の声を出すまでに成長したんだな。年月って恐ろしい。ダテに歳食ってねーな」



「言うよね」



「お互い様だろ?」



まあ、そーなるよね。



「ヤスくん…彼女いないんだ?いそうだよね」



イケメンだし、おしゃれっぽいし、車も持ってるし。



「いないなー、俺も相当こじらせてるから」



「ええっ、同士なの!?」



見えないなー、話を合わせるために言ってるだけかな。



「学生んとき、全くモテなかった。それなのに、いい会社に入ったり、髪型変えるとか、色々オプションが付く度に急激にモテて…」



「それは、ヤスくんの魅力が増えたと捉えていいんじゃないかな。男に磨きがかかったんだよ」



「おー、いいこと言うな。でもさ、女って結局俺のオプションしか見てない。性格知って、フられることも多い」



「そうなんだ。性格…そんな、ひどいの?」



以前のヤスくんは、毒舌だったよね。



それは、今も変わらないか。



だけどそれが、フられる原因になるとは思えない。



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