運命の恋、なんて。
「お前っ!いつの間にこんな綺麗な子つかまえて!おいっ」



今度は、近くに立っていた友達に、ヤスくんが羽交い締めにされてる。



会ったことのない人たちだから、大学生のときの友達かな?



人当たりがいいこともあり、とにかくヤスくんは友達が多い。



今日も、圧倒的にヤスくん側の来賓の方が多いんだよね。



そのうち、ヤスくんは他のメンバーのところへ連れて行かれてしまった。



飲まされる?



お酒、強い方じゃないからなぁ。



心配しつつ、後を追う。



とりあえずヤスくんは陽気に喋っている。



大丈夫…かな。



この一体は男の子メンバーで固まってるし、友達のところへ戻ろう…そう、思っていると。



「胡桃ちゃん」



後ろから、聞き覚えのある…声が聞こえた。



あたしは、この声をどこで聞いたんだっけ。



なんだか懐かしい思いでいっぱいになる。



振り向くと、そこに知らない人が立っていた。



え…誰?



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