投げつけるから受け取って




 
 ――――だが。



「あっはははははは」
 


 愛梨が爆笑している横で「そんなに笑わなくても」と膨れてみる。




「いや、うん。ロマンよりマロンねっ」

「愛梨ってさ、なんかツボが変だよね」




 恵介とのやりとりを話したら、何故かロマンよりマロンという例えがツボに入ったらしい。涙まで出して笑いながら「で、進展なしってわけ」と余計なことをいった。


 恵介と私は、腐れ縁のようなものであるのは愛梨も知っている。恵介も恵介で私のことは「なんというか、女の子してないからしゃべりやすい」などと言いやがりました。
 あの、女の子してないってなんだ。性別は女の子なんだけど!

 まあ、女子力はないのは否定しない。




「否定しないんだ、そこ」

「だって」

「まあ……例えマスクの下は鼻水酷くて鼻にティッシュ詰めてても、女の子は男子に言わないよね、普通」

「いつの話それ!」


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