CURRENT



「ばっ……当たり前じゃないですかっ」



そう言って、そそくさと自分のデスクに戻っていく沖田陽子。

どうやら、居心地が悪くなったらしい。

でも、私がここを離れればまた寄ってくるんだろう。

とは言え、噂されている2人だ。

こんなとこに長居は出来ない。


それにしても、なぜ彼は黙っているのだろう。

あの子との会話で口を挟むことはなかった。

本当に、あの子の手中に収められてしまったのだろうか。



「何?」



じっと見ていたみたいで、視線に気づいた彼が不思議そうに聞く。



「……何でもありません」



あの子と付き合っているのかなんて、私には関係ないことだ。

気にすることじゃない。

私はただの暇潰しだって、最初から分かっていたことだから。




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