CURRENT



笑いながら島村たちの感情を逆撫でするようなことを言う。

案の定、島村は怒ることとなる。



「勘違いってなんスか?惨めとか、意味分からん。
それより、彼女を間違えるなっての」



そう言いながら、彼に抱き締められている私の手を引っ張る。

だけど、すぐに彼が島村の手を叩き落とす。



「僕に好きな人はいても、彼女はいません。
沖田さん?僕が仕事も出来ないような子を相手にする訳ないでしょう」


「なっ、何言っているんですか。ちゃんと仕事しているじゃないですかっ」


「自己満足ですか?ずっと僕のとこにいて、仕事しておる訳がないですよね」



言葉はまだ優しいけど、寒気がするのは気のせいだろうか。

声が冷たい。

こんな状態でも本性を出さないのは凄いと思う。




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