CURRENT
「あ、もう梨沙に手出しすんなよ。アンタ、邪魔なんだから」
「邪魔って、選ぶのは梨沙じゃん。課長が選ばれたと思ってんの?」
アンタがそれを言うか?
散々、私の気持ちを無視していたのに。
「梨沙を見て分かんない?
なら、残念だな。分からせてやろうか?」
分からせるって何をだろう。
と思っていると、後ろから抱き締めている私を離し、顎を掴み振り向かせる。
かと思えば、あっという間に唇を奪われた。
「ちょっ……んっ」
文句は言わせないというほどに深い。
島村が見ていることなんてお構いなしだ。
やっと離れたと思ったら、案の定酸欠状態。
崩れ落ちそうになった体を、彼が抱き止めた。
私は、自分の息を整えるのに必死で、2人がどういう状態か分からない。