CURRENT
何度か悪いと思って、菜月と彼氏くんにご飯を奢った。
彼氏くんにも、“気にしないで下さい”と言われた。
平日に逢えなくても、休日に逢えるからいいらしい。
ラブラブなのは羨ましい限りだ。
「矢島さん、ごめん。ちょっといいかな」
残業中に部長に呼ばれた。
部署内には、菜月と私と数人の男性がいるだけ。
その中に部長はいなかったから、もう帰ったのだと思っていた。
残業中に呼ばれることも珍しく、思わず菜月と顔を見合わせてしまった。
「なんでしょうか?」
「ちょっとついてきて」
よく分からないけど、言われるままについて行った。
残業中のため、至るところの照明が消されている。
そんな中、どこへ行くつもりだろうか。