CURRENT
満足そうに、私の髪を撫でる。
「さて、言葉にしたからには容赦しない。
あとは、梨沙を手に入れるだけだから」
にっこり笑ったかと思えば、唇に触れるだけのキスをして去っていく。
私は、その場に崩れ落ちた。
ドキドキが止まらない。
再会してから、“好き”と言葉にされたのは初めてだった。
端々の彼の言葉に意味不明な部分はあるけど。
真っ直ぐに好きだと言われたら、誰だって赤面する。
好きとか、そんなんじゃない。
ただ、慣れていないだけ。
本当にイケメンからの告白に慣れていないだけ。
そう、思い込んだ。