CURRENT
女の子たちはポカンとしたあと、震えながら顔を真っ赤にする。
「では矢島さん、よろしく」
「……コレ、持って行って下さい。課長の承認分です」
「了解ー」
私のデスクの上から書類を取り、なれなれしく話す彼は、やっぱり他の子たちとの態度が違う。
他の子に対しては、冷たく突き放すのに、口調は敬語のまま。
だから、よけいに怖い。
「楽しい三角関係ですねー。
あ、でも、もう島村さんに勝ち目はないかー」
隣では、本当に楽しそうに菜月が言う。
他人事だと思って、凄い楽しんでいる。
私は、一つも楽しくない。
そもそも、私は誰も好きじゃない。
外野が勝手に言っているだけだ。