CURRENT
その間、私と彼には何もなかった。
なのに、キスをしていただの、抱き合っていただの、勝手に話しを作られていた。
とうとう、現実も作り話もごちゃごちゃになっていた。
私は、それに対して否定する気にもなれなかった。
勝手に作られた話しに口を出せば、現実だと取られてしまう。
こういう子たちには、何を言っても無駄だから。
だけど、その作り話が完全に現実のモノだと認識されてしまった。
イヤ、それ以上のモノとなったんだ。
不用意な彼の一言で。
最近の私には、違和感も何もなかった。
いつの間にか、それが普通になっていたから。
それでも、私たちが元々知り合いだということを知らなければ、気になるワードではあったんだ。
「梨沙、悪いっ。これ、明日持っていくから急いでやって」