CURRENT
「本当に、気づいてなかったんですね」
「イヤ、もう、呼ばれ慣れていて……」
「そんなに仲良いんですねー」
「イヤ、仲良くはない。
噂になるのは嫌だから、2人にはならないようにしているし」
即、否定した。
私は別に、仲良くしているつもりはないから。
「でも、さっきの会話で噂は余計に大きくなりますよ。
島村さんと別れて、課長と付き合っているってなりますよ」
「は?たったそれだけで?」
「女なんて、そんなもんですって。あの子たちなら尚更。
元々知り合いだってこと、バラされていないだけマシですね」
そう、菜月の言う通り、高校の時から知り合いだってことは、まだ知られていない。
知られてしまった沖田陽子も島村も、なぜか周りにはバラしていない。