CURRENT



島村はともかく、沖田陽子はすぐにバラしそうなのに。



「沖田陽子にとっては、信じたくない事実なんですよ。それをバラしてしまえば、2人は親密だと言っているようなものですから。
それは、耐えられないんですよ」



私が考えていることを答えるように、菜月が言う。

たかだか、高校の時から知り合いだって言うだけで、親密となるのか。

それなら、この世の中、大勢の人が親密となってしまうけど。



「梨沙先輩たちの場合、10年経っての再会ですし、誰がどう見ても訳アリっぽいですし」


「訳アリって……」


「あたしも、全て聞いたとは思っていないですしねー」



にっこり笑って、意地悪くそんなことを言う。

確かに、彼に告白されたことがあるのは黙ったままだけど。


やっぱり、気づいていたのか。

そんな雰囲気出しているつもりはなかったけど。




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