CURRENT
「矢島さん、勘違いしないでくださいよ。お局様が可哀想なだけですから」
自席に戻る途中、そんな嫌みを言われた。
さっきのをがっつり見ていたのだろう。
少し頬が赤いままだ。
そんな表情で睨みながら嫌みを言われても、全然迫力はないけど。
「聞いてるんですかっ」
え、反応欲しかったの?
黙って聞いていればいいのかと思ったけど、彼女は私に迫ってきた。
「聞いてるし、お局だってことも分かっているよ。
でも、あなたと1歳しか違わないけどね」
嫌みには嫌みで返した。
いろんな人にお局と言われるけど、まだ30前だし、そう言ってくる子たちとあまり年は変わらない。
確かに独身ではあるけど、今言ってきてる子だって独身だ。
私がお局だったら、この子だって同じはずだ。