CURRENT



本性丸出しな姿を見て、彼女は喜ぶではなく青ざめている。

容赦なく切り捨てられると分かったのだろう。



「す、すみませんっ。すぐに直しますっ」



震える声でなんとか言葉にして、急いで書類を取って自席へ戻っていく。



「誤字脱字に、数字の間違い。計算ミスまで。
関数使っているはずだよね」



ちらっと見えた書類の間違えていた箇所を、ついつい呟いてしまう。

そして、呆れてしまう。

逆に聞きたい。

どうやったら、そんな間違いが出来るのか。



「アレは、元々クビリストに入っているからな。直したところで、またこっちでの見直しは必要だな」



私の呟きに、さらりと返す。

あれでは、他の仕事も出来ないと思うな。




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