CURRENT
最後に呼び出しをくらったかと思えば、こんなことを言われた。
確かに、部長と彼に混じって、なぜか私もこの子のクビを判断したよ。
でも、自業自得。
結局は、自分の能力のなさ。
それが、分かっていないのだろうか。
「私が何かを言って、ここに残ることが出来たとして、居場所があると思ってる?」
「あるに決まっているじゃないですか。
誰だってお局の矢島さんより、美人なあたしがいた方がいいに決まってますー」
彼女がそう言ったとたん、どこからか吹き出すような声がした。
「……平山さん、笑いすぎだから」
「イヤイヤ、課長だってめっちゃ笑ってるじゃないですか」
笑いながら物陰から出てきたのは、菜月と彼だった。
一体、どこから聞いていたのだろう。
「あー、おかしい。梨沙先輩に容姿で対抗するなんて」