CURRENT



「何でですかっ。あたしの方が美人じゃないですかっ」



笑いながら言う菜月に、必死で言い返すと、すぅーっと菜月の笑みが消えた。



「それ、本気で言ってんの?」


「ほ、本気ですよ……っ」



急に冷たく低くなった声に、少し怯えていた。



「身の程知らず。
性格はダメすぎるし、容姿だって梨沙先輩とは天と地ほどの差がある。何をしたって勝てる訳がない」


「そんなこと……ない……」



菜月に怯えながらも言い返すけど、最初の元気はどこにもない。



「ふーん。でも、そんなんだから彼氏と別れるんでしょ」


「え?」



私と彼女が同時に驚いた。

最近彼氏がいるって聞いたはずなのに、別れたのか。




< 153 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop