CURRENT
「先輩にムキになって返した時、もう別れていたらしいですよ。見栄張ったみたいです」
「うわっ……みじめ」
そう呟いたのは、私じゃない。
言いかけたけど、それよりも先に彼が呟いたのだ。
「そんな見栄で梨沙に勝って、何が嬉しいんだろう。美人も何も、可愛くないのに」
彼も冷たい言葉を言い放つ。
彼女はすでに泣きそうだ。
私にわざわざ言いに来ることなんてなかったのに。
そしたら、ここまでダメージを受けることもなかっただろうに。
「これ以上ここにいて、なんの意味がある?早く帰った方がいいんじゃない?」
相手にするのに疲れた私は、それだけ言ってその場から離れた。
だけど、諦めきれないのか彼に必死にしがみついている姿が見える。