CURRENT



可愛くないとまで言われたのに、彼を捕まえたいのか。

みじめを通り越して、かわいそうになってくる。


恋をしたら、誰もがああなるんだろうか。

私はそんな風にはなりたくない。

だから、恋だって社内ではしたくない。

あんな姿、さらけ出すなんてありえない。



「さっき課長に聞いたんですけど、あの子、課長が来た早々に告ったらしいですよ。まぁ、ばっさり切り捨てたみたいですけど」



菜月も残らず私についてきたみたいで、笑いながらそう言う。



「……それって、完全に顔判断じゃん」


「そうですねー。でも、その時は彼氏いたみたいですよ」


「は?堂々の浮気かよ」


「なんか別れ寸前で、次を探してみたいです。だから、顔が良ければ誰でも良かったんですよ」



菜月の言葉に、私は呆れて何も言えなくなる。




< 155 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop