CURRENT
可愛くないとまで言われたのに、彼を捕まえたいのか。
みじめを通り越して、かわいそうになってくる。
恋をしたら、誰もがああなるんだろうか。
私はそんな風にはなりたくない。
だから、恋だって社内ではしたくない。
あんな姿、さらけ出すなんてありえない。
「さっき課長に聞いたんですけど、あの子、課長が来た早々に告ったらしいですよ。まぁ、ばっさり切り捨てたみたいですけど」
菜月も残らず私についてきたみたいで、笑いながらそう言う。
「……それって、完全に顔判断じゃん」
「そうですねー。でも、その時は彼氏いたみたいですよ」
「は?堂々の浮気かよ」
「なんか別れ寸前で、次を探してみたいです。だから、顔が良ければ誰でも良かったんですよ」
菜月の言葉に、私は呆れて何も言えなくなる。