CURRENT
私の混乱をよそに、彼は私をその場から連れ去る。
「ちょっと、待て……っ」
「ストップ。お2人は、手出し無用と言ったはずです」
島村が彼を引き留めようとしたところを、菜月が止めた。
それも、何の感情も一切持たないような表情で止めた。
そのため、私たちは止められることなく会社を出た。
未だ混乱したままの私。
このまま、どこへ行くのだろうか。
聞きたいけど、なぜか真剣な表情をしている彼に、何も聞くことは出来なかった。