CURRENT



金曜日とあって人が多い中、手を繋いだ。

もう、それが自然すぎて放すタイミングもなかった。


そんな中でも、彼は目立った。

明るい茶髪は、暗闇でも分かる。

その上、整っている顔立ちで、すれ違う人は必ず1度は振り返る。

そして、マジマジと見つめている人もいる。

次に隣にいる私を見て、ため息を吐く。

男も女もカップルでも、全員が同じ反応。

自分で言うのもなんだけど、美男美女が一緒に歩けば、注目を浴びることになるんだ。


周りに見られて居たたまれなくなった私は、彼との距離をあけようとする。

だけど、繋いでいる手がそれを許さない。


結局、たっぷり注目を浴びた私たちは、電車に乗りここまで来た。

散々、好きだの言われてキスもされているけど、彼の家に来たのは2度目。

あの飲み会で私が潰れてしまった時以来だ。




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