CURRENT



それどころか、温かい。

それに、耳元でドキドキと心臓の音がしている。

それが心地よかった。



「アイツらに、ヤキモチ妬いてる?」



耳に響くように声が聞こえる。

驚いて起き上がると、彼が私の下でにっこり笑っている。



「え?……は?え?」



誰がどう見ても、完全に私が組み敷いている。

慌てて彼の上から逃げようとするけど、抱き締めている彼の手がそれを許さない。



「あんなヤツらに妬くなんて時間の無駄。
俺が梨沙に飽きることなんて、一生ないし」


「なっ……何、言って……」



驚いたことで涙は引っ込んでしまったし、彼の言葉に赤面はするし、心臓はうるさいし。

こんな状況で言うなんてズルいと思うけど。




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