CURRENT
それなのに、目の前で綺麗で逞しい素肌をさらしている彼がいる。
誰にも見せたことのない素肌をさらしている私もいる。
なぜか、その全てが泣きたくなるほど愛しくてたまらない。
抱きつくと、その温もりに安心する。
きっと、ずっと待っていたんだ。
望んでいたんだ、こうなることを。
「梨沙、いい?」
全身への優しいくちづけに、私の息はあがって声を出すことは出来ない。
それでもなんとか頷く。
そして、優しい笑みと共に痛みが走った。
痛いけど、これも愛されている証拠だと思えば耐えられた。
めちゃくちゃになんかしない。
私を気遣って、優しくしてくれた。
時には激しくもされたけど、幸せになれた。
「好き……」
息も切れきれの中、それだけを呟いて夢の中へと落ちていった。