CURRENT
「起きてた。梨沙の寝顔をずっと見てた」
「は?やだっ。ちゃんと寝てよっ」
そんなことを暴露されるとは思わなかった。
より一層、ドキドキが止まらない。
「でも、良かった……。夢じゃない」
そんなことを言いながら、巻き付いている手に力を込めた。
「寝てる間に梨沙がいなくなってるんじゃないかって。
昨日のが夢だったんじゃないかって、不安だった」
「そんなに私って、信用ない?」
そう思ったら、悲しくなってくる。
「信用してない訳じゃない。
信じられないんだ。梨沙が俺のモノになったってことが」
「え?あんなに自信満々で強気だったのに?」
「攻める時は、誰だって強気で行くよ」
彼の言葉に、少し笑ってしまう。
やっぱり彼も、1人の人間だったらしい。