CURRENT
誰が、あんたに相手してもらうかっ。
油断も隙もあったもんじゃない。
だいたい、今更なんなの?
イケメンが来て、焦ってでもいるのだろうか。
社内の女が全て取られると。
そんなの、くだらない。
私は、そんなのに巻き込まれたくない。
彼を相手にする訳もなければ、元カレだった島村を相手にする訳もない。
今更話しかけてきたところで、どうしようもないのに。
「梨沙先輩、何で中山課長見て驚かなかったんですか?
あんなにイケメンなのに」
ランチタイムになると、女の子たちがこぞって彼の周りに集まった。
うるさすぎて、仕事にならない。
そのため、菜月を誘い、外でランチをすることにした。
そこで、唐突に菜月が聞いてきた。
やっぱり、よく見ている。
朝、菜月も途中までは輪の中にいて、私には気づいてなかったはずなのに。