CURRENT



それから、他愛もない話しをして、休憩時間が終わるギリギリに戻った。

このぐらいになれば静かになっていると思ったから。

だけど、私の考えは甘かった。

出た時と変わらず、輪が出来たまま。

色々な質問が飛び交っている。

それに対して、彼も笑顔だから女の子たちも付け上がる訳だ。



「あたし、中山課長の彼女に立候補してもいいですか?」



急にそんな声が聞こえて、なんじゃそりゃ、と思った。

今日逢ったばかりなのに、何をバカなことを言っているんだ。



「僕にはもったいないです。みなさん、まだ若いですから」


「中山課長だって、若いじゃないですかー」



その言葉に、私はため息しか出ない。

そいつは、私と同い年だよ。

なのに、方や若いで方やお局様なの?

納得いかない。



「中山課長だったら、どんなに年上だったとしてもいいですよ」



あー、イケメンって便利だね。

しかも、外面で騙されるあの子たちもどうかと思うけど。




< 28 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop