CURRENT
卒業式も無事に終わり、友達と話しているところに、他の友達が勢いよく入って来る。
しかも、ほんのりと顔が赤い。
「どうしたの?」
そう聞くと、赤い顔がさらに赤くなる。
「……初めて中山くんとしゃべっちゃったぁ」
なんじゃそら。
焦っているような雰囲気もあったから心配したのに、損したわ。
「じゃなくてー、梨沙、落ち着いて聞いてね」
「私?イヤ、落ち着くのは私じゃなくてアンタ……」
「中山くんが梨沙を呼んでいる」
「…………は?」
他の人に聞こえるとまずいのか、小声で話した言葉は思ってもみないことだった。
「えー、何で?梨沙?」
一緒にいた友達が控えめに驚く。