CURRENT
自分のデスクに戻るなり、待ってましたとばかりに菜月が話しかけてくる。
「上手くやったとは?」
「おそらく、2人きりでの飲みは嫌だったんですよ。それを、親睦を深めるためと言えば、文句は言えないですよ」
「菜月の目には脱帽だね。よく見ていることで」
「人間観察って楽しいですからねー。
そして、男性社員たちはストレス発散がしたかった。
利害が一致したんですよ」
そういえば、最近の残業の時な社員が呟いていたな。
それを、彼もしっかり聞いていたんだ。
それもあったから、沖田陽子の話しに乗ったのか。
策士もいいとこだな。
「それにしても、やっぱり仲良いじゃないですか。
あれじゃあ、睨まれるの当たり前ですよ」
楽しそうに言う菜月の言葉が、何を指しているのか分からない。
「あの子が離れてから、課長の本性が垣間見えましたよ。
やっぱり、梨沙先輩を相手にした時だけですね」